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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第11章 後宮艶夜*スキャンダル 接近~二つの心~
懸命にもがくと、男の腕はするりと離れてゆく。だが、何故か男の腕から解放されると、今まで自分を包み込んでいた温もりがなくなって淋しいと思ってしまう。そんな自分に紫蘭は愕いていた。
「―済まない、こんなことをするつもりはなかった」
真摯な瞳で謝罪され、紫蘭は薄く笑む。
「もう二度とこんなことをしないで下さいね? 折角小鳥のお話をできる方を見つけたのに、お逢いできなくなりますから」