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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第11章 後宮艶夜*スキャンダル 接近~二つの心~
確かに紫蘭には可愛い赤ン坊と子守歌が似合いそうに思える。優しい彼女ならば、良い母親になっただろう。彼女に告げた言葉は嘘ではなかった。世が世ならば、異母弟光徳帝が生きていれば、今も彼女は皇后として後宮で時めいているはずで、子の一人や二人にも恵まれていただろう。
別に自分は皇帝になりたいと思ったことはにない。幼いときから生命の危険に怯え、せめて生き存えたいとしか考えたことはなかった。ましてや皇帝位を望むなど大それたこととしか思えなかった。
別に自分は皇帝になりたいと思ったことはにない。幼いときから生命の危険に怯え、せめて生き存えたいとしか考えたことはなかった。ましてや皇帝位を望むなど大それたこととしか思えなかった。