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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第11章 後宮艶夜*スキャンダル 接近~二つの心~
後宮女官長初め、高位の女官、宦官、そして宮女が幾人か。彼らは一晩中、寝所の前で護衛につくのだ。後宮女官長がいるのは初めて妃が皇帝の閨に侍るときの習慣である。紫蘭は前皇后であったが、現皇帝と過ごす夜はこれが初めてなのだから、当然といえばいえる。しかし、このような場所でこういう形で女官長と再会するとは皮肉なものだ。
女官長は四十そこそこの情理をわきまえた話の判る女性だった。紫蘭と眼が合うと、その眼には同情と痛ましさが溢れている。紫蘭は思わず涙が出そうになり、眼を付せた。
女官長は四十そこそこの情理をわきまえた話の判る女性だった。紫蘭と眼が合うと、その眼には同情と痛ましさが溢れている。紫蘭は思わず涙が出そうになり、眼を付せた。