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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第11章 後宮艶夜*スキャンダル 接近~二つの心~
 皇帝の寝所に侍ると見せかけて寝首を掻く不届き者がいる可能性もある。そのため、皇后・側室を問わず、皇帝の閨に侍る前に妃が女官によって厳しく身体検査を受けるのは必須事項というか規則によって決められていた。
 しかし、室を出る間際、紫蘭は一瞬だけ一人になる機会があった。紫蘭にずっと付いていた宮女が一人いたのだが、その宮女が女官に呼ばれて急遽出ていった。そのわずかな隙に仕舞っていた懐剣を懐に忍ばせたのである。
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