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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第11章 後宮艶夜*スキャンダル 接近~二つの心~
言い終わらない中に懐剣を両手で捧げ持ち、紫蘭は勢いつけて皇帝に突進した。が、一瞬の後、紫蘭はあっさりと交わされ、両手首を皇帝にひとまとめに掴まれていた。
懐剣はとうに奪われて床に転がっている。
あまりの無力感に紫蘭は痛いほど唇を噛みしめ、顔を背けた。
「陛下、私のような者をお側においていては、いつ何時、お生命を狙い奉るか判りません。どうか、ひと想いに私に死を賜って下さい」