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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第3章 偶然という運命の悪戯
 上背のある身体は均整が取れてスラリとしているが、脆弱な印象はなく、美男子だが優男ではない。逆に肩から腕にかけては筋肉もついていて、多少見る眼がある者ならば、この男がただの小間物売りだと名乗れば首を傾げるかもしれなかった。
 これだけの美貌は女にもそうそうはいない。もし男がもっとひ弱な身体をしていれば、それこそ本当に女人かと見紛うかもしれないが、生憎と彼は逞しい美丈夫であった。
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