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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第12章 後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~ 二代后
皇帝は包み込んだ紫蘭の手に自らの温かな頬を押し当てた。
「いつか俺の子をそなたが産んでくれ」
「―陛下」
紫蘭の瞳に涙が溢れた。
「俺はいつまでもその歓びの日を待っている。今まで済まなかった。俺はどこかで先帝―弟に嫉妬していた。まさか、そなたがまだ弟と床を共にしておらぬとは―」
そこで皇帝は口ごもり、吐息をついた。
「紫蘭が清らかな身体だと思いもしなかった」