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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第12章 後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~ 二代后
「陛下、私は紅蘭もこうして手許に帰ってきましたし、もうこれ以上の贈り物は必要ありません。操国も今は陛下の御徳が遍く行き渡っているとはいえ、何かと民の暮らしも逼迫して大変な時期です。そんなときに私だけが日々、立派な贈り物を頂くのは心苦しうございますので、今後はお気持ちだけ下さいませ」
 数年続きの夏の干ばつは郊外の農村にも深刻な影響を与えていると聞く。そのような村では餓死者も出ているというのに、自分だけが贅沢に耽ることはできない。それは紫蘭の皇后としてのせめてもの願いだった。
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