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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第13章 後宮艶夜*スキャンダル 嫉妬~心に巣喰う魔物~
一の月の終わり、紫蘭は庭を散策していた。皇帝は政務で泰和殿にいる。星辰殿は皇帝の私的な御殿だ。そのため、紫蘭はその日は一人で庭を歩くことにしたのだった。
都華陽の冬のまっただなか、その日はまた格別に寒さも厳しかった。真冬のこととて、さしもの広大な庭園にも花らしい花は見当たらず、周囲は冬枯れの景色に沈んでいる。温室の方にゆけば、操ではけして咲かない南国栄の珍しい花なども一年中咲き誇っているが、紫蘭は温室にはあまり足を運ばない。
都華陽の冬のまっただなか、その日はまた格別に寒さも厳しかった。真冬のこととて、さしもの広大な庭園にも花らしい花は見当たらず、周囲は冬枯れの景色に沈んでいる。温室の方にゆけば、操ではけして咲かない南国栄の珍しい花なども一年中咲き誇っているが、紫蘭は温室にはあまり足を運ばない。