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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第13章 後宮艶夜*スキャンダル 嫉妬~心に巣喰う魔物~
四半刻も経つ中に、深紅の天鵞絨(ビロード)のようなやわらかな花びらがたくさん連なった花冠ができあがった。紫蘭はそれを鵬雄に渡した。
「どう? 素敵な花冠ができたわ。お母さまに差し上げては、どうかしら」
自分が母ならば、可愛い息子からこんな花冠を贈られたら幸せだろうと思う。だが、鵬雄は真顔で首を振った。
「男が花冠を贈るのは好きな女の人にあげるときなんだ!」
おませな口調が舌足らずなのがまた可愛い。背後の宮女たちがクスクスと笑っている。
「どう? 素敵な花冠ができたわ。お母さまに差し上げては、どうかしら」
自分が母ならば、可愛い息子からこんな花冠を贈られたら幸せだろうと思う。だが、鵬雄は真顔で首を振った。
「男が花冠を贈るのは好きな女の人にあげるときなんだ!」
おませな口調が舌足らずなのがまた可愛い。背後の宮女たちがクスクスと笑っている。