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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第13章 後宮艶夜*スキャンダル 嫉妬~心に巣喰う魔物~
「見知らぬ者から出された食べ物を無闇に食してはならぬと申したはずです」
鵬雄が不満げに口を尖らせた。
「知らない人じゃないよ。花冠だって作って上げたんだ。僕が大きくなったら、お嫁さんになるんだよ」
「母に口答えは許しませんよ、皇子」
鵬雄が母と呼ぶからには、この女が苑貴妃に相違なかった。たとえ世継ぎの生母といえども、苑彩明は貴妃にすぎない。皇后の紫蘭の方が立場は上なのだ。この場合、まず苑貴妃が先に挨拶するのは常識であった。
鵬雄が不満げに口を尖らせた。
「知らない人じゃないよ。花冠だって作って上げたんだ。僕が大きくなったら、お嫁さんになるんだよ」
「母に口答えは許しませんよ、皇子」
鵬雄が母と呼ぶからには、この女が苑貴妃に相違なかった。たとえ世継ぎの生母といえども、苑彩明は貴妃にすぎない。皇后の紫蘭の方が立場は上なのだ。この場合、まず苑貴妃が先に挨拶するのは常識であった。