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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第13章 後宮艶夜*スキャンダル 嫉妬~心に巣喰う魔物~
ところが、苑貴妃は微動だにしなかった。平凡な顔立ちにはいささか似合わない派手な深紅の深衣を着て、じいっと睨むように紫蘭を見つめている。
動いたのは紫蘭の方が早かった。紫蘭はすべるように歩くと、苑貴妃に近づいた。
「ご機嫌よう、苑貴妃」
後ろから宮女が袖を引くのが判ったが、紫蘭は振り向かずにこやかに挨拶した。
「とても可愛い皇子さまね。こんな可愛いお子さまをお持ちで、苑貴妃が羨ましいわ」
動いたのは紫蘭の方が早かった。紫蘭はすべるように歩くと、苑貴妃に近づいた。
「ご機嫌よう、苑貴妃」
後ろから宮女が袖を引くのが判ったが、紫蘭は振り向かずにこやかに挨拶した。
「とても可愛い皇子さまね。こんな可愛いお子さまをお持ちで、苑貴妃が羨ましいわ」