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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第13章 後宮艶夜*スキャンダル 嫉妬~心に巣喰う魔物~
「皇后さま、あのような無礼をお許しになるのですか? ここは陛下に申し上げて、きつくお叱りして頂くべきでは」
筆頭宮女が怒りのあまり涙を滲ませている。紫蘭は困ったように眉を寄せ、宮女の頬にそっと触れた。かなり力任せに叩いたものか、右頬が早くも紅く腫れ上がっている。
「ごめんなさいね。私のためにこんなことになってしまって」
紫蘭が心から謝るのに、宮女は涙ぐんで首を振った。