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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第13章 後宮艶夜*スキャンダル 嫉妬~心に巣喰う魔物~
「陛下、私には」
 と、彼の人差し指が紫蘭の熟れた唇に触れた。
「そこから先はもう良い。何も言うな」
「―申し訳ありません」
 皇帝が半身を起こす。つられて紫蘭も寝台の上に起き上がった。かつて見たことがないほど真摯な視線が彼女を射貫いていた。
「心ないことを申して悪かった。だが、紫蘭。これだけは憶えておいてくれ。俺はそなたさえいれば良い。子はおらずとも日は過ぎるが、そなたがいなければ俺の一日は始まらぬ」
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