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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第13章 後宮艶夜*スキャンダル 嫉妬~心に巣喰う魔物~
だが。そろそろ頭に白いものが混じり始めた侍医は何も応えようとしなかった。彼が口を開くまでの沈黙がこれから起きようとしている信じられない事態を何より物語っているようでもあった。
侍医はうつむき加減のまま言上した。
「お目覚めになったのは奇蹟としか言いようがございません。最早、内臓が傷み切って爛れております。回復は不可能に近いかと拝察仕ります」
紫蘭は言葉を失った。絶望で眼の前が一瞬、白く染まった。
侍医はうつむき加減のまま言上した。
「お目覚めになったのは奇蹟としか言いようがございません。最早、内臓が傷み切って爛れております。回復は不可能に近いかと拝察仕ります」
紫蘭は言葉を失った。絶望で眼の前が一瞬、白く染まった。