この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第13章 後宮艶夜*スキャンダル 嫉妬~心に巣喰う魔物~
その夜半、皇帝の容態は急に悪化して明け方を待たずして崩御した。皇帝が負傷して以来、ずっと側に付いていた紫蘭は物言わぬ良人の身体に取り縋って号泣した。
「あなたまで私を残して逝ってしまいになるのですか?」
まだ私はあなたに大切なことを何も伝えていないのに。今はこの胸の想いを告げなかったことが悔やまれてならない。ただひと言で良いから、あなたに伝えれば良かった。愛しています、と。
「あなたまで私を残して逝ってしまいになるのですか?」
まだ私はあなたに大切なことを何も伝えていないのに。今はこの胸の想いを告げなかったことが悔やまれてならない。ただひと言で良いから、あなたに伝えれば良かった。愛しています、と。