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第13章 後宮艶夜＊スキャンダル　嫉妬～心に巣喰う魔物～

　徳治帝を殺害した男は単独犯であるらしいことが判明した。拷問をする間もなく、男は
―神をも怖れぬ好色で愚昧な皇帝に天誅を下したのだ。
　と、平然と言い放った。男は三十代後半の極めて印象の薄い男であった。身分はさほど高くない中級官吏で、平素から真面目な勤務ぶりであり、特に同輩と諍いを起こすようなこともない穏やかな性格だったという。