パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第13章 後宮艶夜＊スキャンダル　嫉妬～心に巣喰う魔物～

　しかし、仮にも皇帝暗殺という国家を根底から揺るがすほどの大事件である。凡庸な一官吏の企てにしてはあまりに事が大きすぎると疑念を呈する貴族もいた。その中で急浮上したのは光徳帝の生母である太后の差し金ではないか、というものだった。
　太后は徳治帝が皇子であった頃から、何度もその生命を狙ったとされる。しかも、徳治帝は光徳帝の妻だった曺皇后を略奪するように妻にしてしまったのだ。亡くなった我が子が可愛い太后がこれを光徳帝への侮辱であり冒涜だと取ったとしても不思議はない。