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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第3章 偶然という運命の悪戯
 腹立ち紛れに歩いていっていると、ふと、男がすぐ後から付いてくるのに気づいた。手早く片付けたらしく、大きな荷を背負っている。先ほど薄紫に見えた瞳はもう操国人らしい漆黒に戻っていた。
「なに? まだ何か言い足りないことでも?」
 芳華が挑戦的に言うと、男は肩を竦めた。
「何か面白い女だから、もうちょっと話がしたいと思ってさ」
「私はあなたとこれ以上、話すことはないんです。さっさとどこへなりと行って下さいね」
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