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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第14章 後宮艶夜*スキャンダル Epilogue~あなたを忘れない~
 Epilogue~あなたを忘れない~

 涼やかな初夏の風に吹かれると、心まで爽やかな色に染まってしまいそうな気がする。今の季節を色に例えるなら、どんな色だろうか。きっと美しい翡翠色に違いない。 
 紫蘭はもうはるか昔に愛する男の後を追うように死んでしまった愛鳥を思い出した。浄心院に移り住んでほどないある日、小鳥の紅蘭は死んだ。朝、紫蘭が起きて鳥籠を覗いたときは既に冷たくなっていた。
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