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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第14章 後宮艶夜*スキャンダル Epilogue~あなたを忘れない~
夜、床につく前に確かめたときは元気に餌を啄んでいたのに。良人とのたった一つの想い出がなくなってしまったようで、紫蘭は哀しくて泣いた。
けれど、ふと思ったのだ。紅蘭は自分の代わりに遠い場所へと、二度と帰らぬ長い旅に出たあの男の許へと行ったのではないか。
紅蘭は心淋しいあの男の魂を慰めるために後を追ったのだと思うことで、次々と大切なものを失う辛さも乗り越えられた。紅蘭も美しい翡翠色のつぶらな瞳をした小鳥だった。
けれど、ふと思ったのだ。紅蘭は自分の代わりに遠い場所へと、二度と帰らぬ長い旅に出たあの男の許へと行ったのではないか。
紅蘭は心淋しいあの男の魂を慰めるために後を追ったのだと思うことで、次々と大切なものを失う辛さも乗り越えられた。紅蘭も美しい翡翠色のつぶらな瞳をした小鳥だった。