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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第14章 後宮艶夜*スキャンダル Epilogue~あなたを忘れない~
―紫蘭。
ふいに風に乗って、あのひとの声が聞こえたような気がして、紫蘭は振り向いた。もとより、そこには誰もいない。だが、紫蘭の瞼は確かに映していた。
牡丹の海の中であの男が微笑んでいる。八年前に、初めてこの場所で、私たちの始まりの場所で出逢ったときのように。
―あなた、私もあなたとここで出逢えて幸せでした。短い間でも、あなたにめぐり逢えたからこそ、女として愛され、愛する歓びを知ったのです。
ふいに風に乗って、あのひとの声が聞こえたような気がして、紫蘭は振り向いた。もとより、そこには誰もいない。だが、紫蘭の瞼は確かに映していた。
牡丹の海の中であの男が微笑んでいる。八年前に、初めてこの場所で、私たちの始まりの場所で出逢ったときのように。
―あなた、私もあなたとここで出逢えて幸せでした。短い間でも、あなたにめぐり逢えたからこそ、女として愛され、愛する歓びを知ったのです。