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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第14章 後宮艶夜*スキャンダル Epilogue~あなたを忘れない~
 中には曺皇后自らが浄心院をしばしば訪れる徳治帝に近づき、眼に止まるようにふるまったのだという説もある。だとすれば、曺紫蘭という女性はなかなかの野心家というか、後世の稀代の妖婦という形容も満更外れてはいないと思うのだが、どうであろうか?
 いずれにせよ、現在から千六百年も前の世のことを幾ら想像を逞しくしたとて、後世に生きる私たちが知るすべはないのだ。
 刻は流れ、時代はめぐり、歴史は黙して語らず。栄華を極めた帝国の昔も今はただ夢と化す。
 

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