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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第15章 スキャンダル~あとがき~
追記
☆二代の后について☆
 ここで、作中で取り上げた【二代后】について少し触れたいと思います。実はこのエピソードにはモデルとなった事件があります。もちろん、実話です。それも中国ではなく、日本においでです。
 平安時代末期、藤原多子(たし、まさることも読みます)という美しい姫がいました。多子は成長して近衛天皇のお妃になります。この時、近衛天皇は元服したばかりの十二歳、多子は十一歳でした。ところが、不幸にも多子が十五歳の時、近衛天皇は病気で亡くなります。天皇自身、まだ十六歳の若さでした。
 良人に先立たれた彼女は失意の日々を送るようになりました。皇太后・太皇太后と呼び名は変わりましたが、現実として近衛天皇との間に子どももおらず、現実には名前だけの尊称でした。
 ところが、ある時、多子の運命を激変させる出来事が襲います。時の二条天皇が多子の美貌に眼を止め、再びの入内を強く望んだのです。しかし、先帝の皇后が新帝の後宮に入ったという前例は歴史上も未曾有のことです。あの源頼朝が【日本一の大天狗】とその腹黒さを評した後白河法皇ですら、二条天皇の暴挙を止めることができませんでした。
 二条天皇は後白河法皇の皇子だったのです。父親の諫めを聞き入れない若い天皇は
―天子に父母なし。
 つまり、日の本の国の一天万乗の君である尊い帝たる自分であるから、父母はいない。
 と理屈をこねて、無理を押し通してしまいました。
 犠牲になったのは多子です。とはいえ、天皇の強い意向ですので、拒めるはずもなく、仕方なく再び入内しました。
 なかなか入内しない多子に二条天皇が焦れて迎えの牛車を寄越したそうですが、多子はなかなか乗ろうせず、お付きの人に説得されて渋々車に乗ったといいます。そして、再び二条天皇の後宮に入り、皇后となりました。このときから当時の人は多子を【二代の后】と呼んだそうです。
 この時、二条天皇は十八歳、多子は二十一歳(数え歳)。しかし、その五年後、またも多子は良人に先立たれることになりました。二条天皇はまだ二十三歳でした。この時、多子は二十六歳、今度はすぐに出家しました。よほど懲りていたのでしょうか。書・絵・琴・琵琶などをよくした教養の高い貴婦人であったといわれます。
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