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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第3章 偶然という運命の悪戯
「この独特の形は曺将軍のものだな」
曺将軍はたたき上げの武人だが、若い頃から独自が考案した独特の形の矢を使うことが知られている。何故、町中の小間物売りに過ぎないこの男がそれを知っているのか―。そのときの芳華は混乱しすぎていて、考えるゆとりもなかった。
「おい、お前。お前は曺将軍に生命を狙われるようなことを何かしでかしたのか?」
男に問われ、芳華はゆるゆると首を振る。生命を狙われることなんて、何もしてない。
曺将軍はたたき上げの武人だが、若い頃から独自が考案した独特の形の矢を使うことが知られている。何故、町中の小間物売りに過ぎないこの男がそれを知っているのか―。そのときの芳華は混乱しすぎていて、考えるゆとりもなかった。
「おい、お前。お前は曺将軍に生命を狙われるようなことを何かしでかしたのか?」
男に問われ、芳華はゆるゆると首を振る。生命を狙われることなんて、何もしてない。