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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第3章 偶然という運命の悪戯
 芳華は気丈にも笑顔で言った。
「ここから先はもう一人でも何とかなるわ。本当にありがと」
 男が慌てたように言った。
「馬鹿言え、そんな状態のお前を一人にできるわけないだろうが。お前が幾ら迷惑でも家まで送ってくぞ」
 その申し出はありがたかったので、芳華は素直に男の言葉に従った。大通りを外れ更に歩くこと四半刻、都の外れに差し掛かった。
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