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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第17章
4月6日(日)で、無事に終了した国別対抗戦。
そのエキシビションを終えたヴィヴィは、振付師・宮田が持っているテレビ番組「KENJIの和室」に招かれ、雑談形式の対談をした。
下記はJ-SPOTS ゲスト・アーカイブからの抜粋。
――どう? FS「饗応夫人」、一年滑ってみて。
篠宮:そうですねえ。あ……、カレッジで扇子が流行りました。
――なにそれ!?
篠宮:私がずっと持ち歩いてて、ペン回しみたいに遊んでいたので。
――ああ、FSのリンクイン直前まで、持ってたもんな。
篠宮:今シーズン初めに、花柳流の方に日舞の基礎を教えて頂く機会があって、その時に頂いたもので。
――持っていると落ち着いた?
篠宮:はい。この扇子と一緒にシーズンを通して饗応夫人と向き合ってきたので、戦友というか。傍にあると気持ちの整理が付きやすかったです。先生はどうでした?
――うん? ああ、このプロを振付けてみて?
篠宮:はい。私、かなり無理を言ってお願いしましたから。
――……ふっ(笑) だったな~~。うん。まあ、よく言われたよ「よく、こんな曲にOK出したね!?」って。
篠宮:ふふふ(笑)
――しかも、日舞だし。ヴィヴィが「最後はお辞儀で締めたい」なんて言うし!
篠宮:あはは(笑)
――まあ、お陰で注目度も上がったし、ヴィヴィにしか滑れないプロになったよ
篠宮:はい。ありがとうございました。
――お礼が軽い!
篠宮:え? そうですか? まあ、先生ならどんな難題吹っかけても、やってくれそうだなと思ってたので。
――扱いが雑!
篠宮:え~~、信頼してるんですよ~~(笑)
――俺さあ、言ったじゃん?
篠宮:はい?
――選曲する時。この曲を今シーズン滑って、ヴィヴィがきちんと “自分の矛盾” と向き合えると、俺は信じていいのかって。
篠宮:……そうですね、言われましたね。
――で? 向き合えた?
篠宮:聞き方(笑)
――でも、あれだな。俺は「もうすぐ」と思ってる。
篠宮:「もうすぐ」ですか?
――うん。昨日のFSの直前、なんかすっごい思いつめた顔してて。
篠宮:……あ~~。そう、だった、かな?