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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第17章
――で、演技始まって「おいこれ、大丈夫か?」と、ヤキモキしながらリンクサイドで見てたけど。
篠宮:先生、応援席にいてくれましたもんね。
――うん。で、心配もよそに物凄い気迫で次々エレメンツ決めていって。
篠宮:ああ……、あの時は、結構集中してて。ゾーンに入ったっていうか。
――入ってたんか!? どおりで! 言ってよ!!
篠宮:今言いました。
――遅い!
篠宮:ふふふ(笑)
――で、曲終わってスタオベで。なんかヴィヴィ、凄くすっきりした顔というか、言い方変えると達観? 吹っ切れた? みたいな顔に見えて。
篠宮:……ふふ。そういうとこ、よく、見てますよね、先生って。
――何思ってたの、あれ?
篠宮:え……と、「ああ、これで今シーズン終わりだな」というのと。「もう饗応夫人は滑らないんだな」っというのと。
――うんうん。
篠宮:後は……。うん……「私、人間になりたいなあ」と思ってた、かな?
――……はぁ……? え? ベム? 妖怪人間?
篠宮:ぷっ(笑) 「早く人間になりたーい!」ってですか!?
――だって、そうとしか聞こえないし(笑)
篠宮:そうですね。う~~んと、饗応夫人のストーリーって「人間といういきものは、動物と何かまるで違った貴いものを持っている」だと思ってて。
――そうだな。家政婦のウメちゃんもそう言ってる。
篠宮:私、もう22年も生きてきたし。
――まだ、22年だろ。
篠宮:ふふ。まあ、で、そろそろ人間になってもいいんじゃないかって。
――……解ったような、分からないような(笑)
篠宮:私も自分で言ってて、よく分かんなくなりました(笑)
――あはは。まあでも、いいんじゃない。俺はそんなヴィヴィの顔見て、「あ、今、矛盾と向き合えたな」と感じたし。
篠宮:……そう、ですね。うん。
――よし。じゃあ、次の話題行ってみよ――う!
篠宮:あはは、先生も軽い(笑)
以上、ゲスト・アーカイブより抜粋。