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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第17章
今年の元旦。
イタリアのショーに出演し終えたヴィヴィの元に、一通のメールが届いていた。
『国別が終わったら二人でどこか旅行へ行かないか?』
その誘いを本当に現実のものにしてしまった匠海は、ヴィヴィがオフを確保してすぐ、チケットを郵送してきたのだ。
「すっごいっ! コテージの周りにも沢山お魚いるよ!」
五棟しかない水上コテージに、テンション上げアゲなヴィヴィ。
ベルボーイが室内を案内し終え退室した瞬間、バスルームに飛び込み水着に早着替えしたかと思うと、広いテラスの先に広がる太平洋に飛び込み。
持参した水中眼鏡でシュノーケリングしたり、(水上コテージのお約束)ガラス張りの床下からソファーに座る兄を驚かせたり、とひたすらリゾートを満喫した。
「ヴィヴィ……。お~~い、ヴィクトリアってば!」
まるで小学生女児の様にキャッキャきゃっきゃとはしゃぐ妹を、ウッドテラスから海面を覗き込んだ兄が制する。
「な~~に~~?」
「いや、お前、弾けすぎ……。それに、日焼け止め塗っておかないと、後で大変なことになるぞ?」
匠海の的確な突っ込みに、日焼けすると真っ赤になってすぐ痛くなるヴィヴィは「それはまずい!」と血相を変え、海とコテージを繋ぐはしごを登ってきた。
テラスに上がったヴィヴィに、匠海がバスローブを被せてくれる。
「俺が塗ってやるよ」
「ほんと? じゃあ、背中お願いしま~~す」
最強UVの呼び声高い日焼け止めを兄に渡せば、濃紺のウッドパラソルの下に据え置かれた、これまた濃紺のサマーベッドに導かれる。
二人用の大きなそれにうつ伏せになったヴィヴィの鼻先をくすぐる、独特の香り。
「♪日~~焼け止めを綺麗に洗いきれず~~ 夜~~中に腕が~夏の~匂い~~♪」
懐かしいJ-POPを口ずさむ妹に背後から届くのは、ふっと零れた苦笑と、ヌルついた大きな掌。
細く狭い背中をすぐに塗り終えた兄は、青い水着から伸びた両脚も塗り始めたのだが。
「ゃんっ」
思わず漏れたあられもない声に、発した本人がびっくりする。
だって、もう脚もほぼ塗り終えた筈なのに、ヌメヌメした掌が張りのある肌を味わうように脚の付け根を這い回り。
あまつさえ青いショーツ越し、敏感な場所に指の関節を埋めてくるのだ。