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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第17章
「………………」
まるで蛇みたいだ。
交わる、じゃなく、まぐわう。
自分達は今まさに、蛇の交尾のように まぐわっている。
凄まじくエネルギッシュで、何日間も連続でなされる蛇の交尾。
もつれ絡み合い、飲まず食わずで合体したまま交尾を続けるそれ。
種によっては交尾が済んだのち、雌が雄を飲み込んだり、はたまた絞め殺したりすることもあるという。
そんな濃厚すぎる情欲を重ねた翌朝、ヴィヴィからは「痛い……」と言う弱音と、薄い腹から響く空腹の訴えが合わさる。
トップスケーターの肉体を以ってしても、全身筋肉痛を余儀なくされるほど、兄の言うスロー・セックスは全身を酷使するものだった。
「もう……お腹空いたぁ~~! いつまでも寝てると、ほんと、食べちゃうぞっ」
隣ですやすや寝息をたてている匠海を、頬をつねって強引に起こすと。
「はは。ヴィクトリアに食べられるなら、本望だよ」
起き抜けにも関わらず、兄は妹の脅しを嬉々として受け留めたのだった。