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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第20章
愛車が、慣れ親しんだ青い玄関扉の前に横付けられた瞬間、
「……よしっ!」
そう意を決した様子のヴィヴィを、ギアをパーキングに入れたクリスが振り返る。
「ん……?」
「うん。決めた! FSの曲、ジャンナに電話してくるっ!」
「……え……?」
彼氏の話をしていた筈なのに、どうして急に選曲に話が飛ぶのか?
取り残された状態の兄に目もくれず、妹はさっさと助手席から降りると、
中から出迎えてくれた執事・朝比奈に礼を言いながら、屋敷の中に飛び込んで行ったのだった。
思い立ったら即行動のヴィヴィに、クリスが嘆息交じりに吐き出したのは、苦笑を滲ませた言葉なのだった。
「ほんと、自由、だなあ……」