この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第1章  

 彫りの深い瞳の下、口までの距離が長い(頬の面積が日本人に比べて広い)執事。

 そのお肌が白くて肌理細やかで。

 女ながらに嫉妬してしまいそうな美しさに、ヴィヴィの灰色の瞳が胡乱気に細まり。

「お嬢様、私の顔に何か付いておりますか?」

 潔癖症のきらいがる……じゃなかった “綺麗好き” のリーヴは、少し心配そうに自分に問い掛けてくる。

 もし その美しい頬に長い睫毛1本でも落ちていたら、彼にとっては一大事なのかもしれない。

「ううん。お肌、綺麗だなあと……(-_-)」

 嫉妬丸出しで、馬鹿正直に答えたヴィヴィに、

「ええと……、リーヴ。緑茶、おかわり……」

 クリスが呆れた様子で、フォロー(?)を入れるのだった。

 2階のカフェでの朝食を終えた双子は、また1階のリンクへと降りて行く。

 2面ある国際規格のリンク。

 ひんやりした空気に気を引き締め直した、ヴィヴィの視線の先、

 壁に取り付けられたカメラが目に入り、金色の前髪の陰で細い眉が微かに強張る。

「………………」

 昨年の5月から、このリンクの世話になっている双子の周りでは、ある事件が起こっていた。

 双子が東大からここ オックスフォード・SCへと、所属を移すと発表したのと時を同じくし、

 リンクの所有者 = オーナーが変わったのだ。

 新たなオーナーは、英国の有限責任中間法人で。

 咄嗟に悟ったクリスが調べたところ、その法人に出資しているのは日本の匿名組合。

 そしてさらに先を辿れば、その匿名組合員のリーダーは、篠宮 匠海――その人だった。

 本来なら “匿名組合” というその名が示す通り “匿名” で出資を行える事を利点としているその組織。

 けれどクリスは、投資企業の長である父のつてを使い、簡単に調べ上げてしまったのだ。

 そして、新たなオーナー会社は「所有資産の付加価値の向上」を謳い文句に、1面のリンクにカメラを取り付けてしまった。

 今やフィギュア大国となった日本に於いて、多数の五輪選手を送り出している中京大学。

 同大学の工学部、瀧 剛志 准教授が中心に開発したカメラだった。
 
/1163ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ