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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第21章 .
物足りなそうに「ちぇ~~、だ」と呟いたヴィヴィは、それでも素直に乗っかかっていた兄の腰から降りようとした、が。
「あ、でもさあ……。私、最近、この辺がダルい時があって」
ふと思い出したように己の脇を開いたヴィヴィは、その下――リンパ節の辺りを指さしながら続ける。
「え? そういう事、早く言いなよ……、いつから……?」
「3日前、くらいから? ここの、ええと……。あ、クリス、腕を上げてみて?」
「こう……?」
ヴィヴィの言葉に、呆気無く半袖の片腕を上げるクリス。
「そう。この辺の……この脇の下がね~~、って。こちょこちょこちょこちょ~~っ!」
兄の脇の下を間髪入れず くすぐり始めた妹。
今度はテコでも動かないぞと、ショートパンツの尻に全体重を乗せたヴィヴィは、これでもかとクリスをいたぶってやった。
「~~~っ!! ヴィヴィ!」
「や~~い、また、ひっかかったな~~!」
「小学生男子か?」と揶揄されそうなほど心底楽しそうに兄をからかう妹だったが、さすがに男女の力の差には抗えず、
いとも簡単に両の二の腕を掴まれたヴィヴィは、あっという間にクリスの横のマットへ転がされてしまった。
「もう油断も隙も無いっ 心配して損した……っ」
クリスらしからぬ やや乱暴な言い方でいなされても、ヴィヴィは面白そうにケラケラ笑うばかり。
視線の先、ガラス張りのサンルームから注ぐ秋の日差しが、夏の名残を写した肌を心地良く照らし。
開け放した窓からそよぐ風は、二人分の金の髪をそよそよと撫でていく。
数え切れぬしがらみから解放され、己を曝け出せる数少ない “自分の居場所”。
弛緩しきった妹の見せる姿に、隣の兄は軽く肩を竦ませると横向きに寝直す。
「ほら……、せっかくの綺麗な髪が、ぼさぼさじゃないか……」
一つに纏めていた髪は暴れた事によりぐちゃぐちゃになってしまい、呆れた様子で見降ろしたクリスは、それでも前髪を指で梳いて整えてくれる。