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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第21章 .

2025年11月3日(月)

田園調布にある真行寺邸――その離れの一室。

有休消化の為に上司から命令され休みだった真行寺 円(まどか)は、まだキングサイズのベッドの中にいた。

ダークブラウンに染めた髪を掻き上げながら「ふわわ」と大あくびをしていると、夫の太一がマグカップを手に寝室にやって来た。

「おはよう円、今日は何時まで寝るつもり?」

「愚問だね~~。もちろん “昼まで”!」

三つ揃えのスーツでビシッと決めた太一に対し、悪びれる素振りの無い円。

日々 外務事務官として激務を熟している妻の やっと取れた休息日に、太一はほっとしたようにその頭を撫でる。

「はは。じゃあ、昼ご飯はしっかり食べるんだよ。コーヒー、ここに置いておくから」

「サンキュー、行ってらっしゃいませ。あ・な・た❤」

まるで昨夜の情事を思い起こさせるように、色気たっぷりにふざけた円に、太一は一瞬 眉尻を下げ柔和な顔を更に緩めたが、

「……行ってきます」

そう言うと表情を改め、すごすごとベッドから離れていく。

その後ろ姿を見送りながら、テレビのリモコンを探り当てた円。

すぐに二度寝するには目が冴えてしまい、いつもは見れぬ情報番組でも見ようかとテレビを点ける。

『昨日まで行われておりました、フィギュアスケートGPシリーズ・フランス杯。男子シングルはご覧の通り、周囲の予想通り、日本の篠宮クリス選手が二位以下に圧倒的な大差をつけての金メダルでした』

壁に据えられた画面から流れ始めたのは、夫婦にとって恩人ともいえる存在の快挙。

「うん。クリス君、相変わらず凄いね」

美しいモノに目が無い太一が、寝室の入り口で振り返り感嘆の声を上げる。

テレビに映し出されたのはTVS系列で40年も続くご長寿番組・マンデーモーニング。

ちょうど “ご意見番スポーツ” という人気コーナーが始まったらしく、ご意見番の元プロ野球選手・張氏が満面の笑みを浮かべ『あっぱれ!』と決め台詞を発していた。

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