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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第3章   

「ああ。素直で可愛いよ。ご褒美に、もっとトントンしてあげようね」

 脳髄まで侵されそうな兄の囁きに、華奢な肢体がぶるりと身震いした。

(やぁ……、もっと、もっと気持ちよく、なっちゃうの……?)

 それを楽しみにも怖くも思い、

 戸惑うヴィヴィの肩を、匠海が後ろから抱き寄せてくる。

 もう一方の腕はまるで逃れるのを許さないとでもいうように、がっしりと薄い腹に巻きつけられてしまって。

「ヴィクトリア、何回トントンされたら、イっちゃうかな?」

 ――兄のその言葉だけで、小さく達してしまった。

「ひぅん……っ ん、んんっ あ、もぅ……っ」

 ふるふる金の頭を振って限界を主張する妹に、匠海は気付かないフリを決め込む。

 ずるると収めていたものを引き抜いては、

 小さな膣口を押し広げながらぎゅぷぷと音を立て、

 最奥に捻じ込まれるその衝撃に、

 兄が閉じ込めた檻の中、妹の躰が悲鳴を上げる。

(こ、こんなの、……ほんと、死んじゃう~~っ)

 兄の硬さ、長さ、太さ。

 その全てをじっくりねっとり覚え込まされるその行為に、

 もう一生、この躰から離れられない――

 そんな一抹の恐怖が、己を襲い。

 けれど、繰り返される拷問の如き甘露な交わりに、

 いつの間にか、そんな不安は霧散してしまっていた。

「あ、だめっ おかしく、なるぅ…… ヴィヴィ、おかしくなっちゃうっ」

 泣き出しそうな声で懇願するヴィヴィにも、

「大丈夫だ。途轍もなく可愛いよ」

 匠海は辞める気はないらしく、あくまで優しく、最奥まで愛し抜いてくる。

「んはっ ぁ……っ イくぅっ は、はしたなく……っ イっちゃっ ―――っっ」

 ねちっこく押し当てられる亀頭の先に、頭の中が真っ白に塗り替えられ、

「声も出なくなるほど悦い?」

 くすりと零された吐息が、耳朶を擽った瞬間、

「………………っ ……あ、ぁあっ、あ、あ、あぁああ……っ!!」

 長い沈黙の後、ヴィヴィは咽喉から擦れた声を漏らしながら、がくがくと痙攣して果てた。

 そして、

 恍惚とした意識の中、押し当てられたゴム越しの割れ目から、

 自分の禁域に暖かなものが注がれる、卑猥すぎる錯覚を覚えていた。
 
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