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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第3章   

(なのに、わ、私……っ あんなに乱れて、お兄ちゃんの事、欲しがって……っっ)

 脳裏に過ぎったのは、あられもない言葉で兄を乞う声と、必死にその躰を貪っていた自分の姿。

「し、信じらんない――っ!! お兄ちゃんの馬鹿っ もう、ホント、ありえないっ!」

 握り締めた拳で、目の前の匠海の膝をボカスカ殴って喚いたヴィヴィ。

 自分は、

 あの時の自分は、それこそ死にもの狂いで耐えていたのに。
 
 これ以上、兄に “人としての道” を外れて欲しくないと。

 目の前の大切なものを守り、生涯を掛けて愛し抜く――。

 そんな普通の幸せを、

 せめて、

 せめて、匠海にだけは……。

「もう、舌噛んで死んでやるっ!」

 そう喚いたヴィヴィの本心は、

 い、痛いの嫌だな――が半分。

 でも、本当にもう、そうしなければ――が半分、で。

 バスタブから出ようと、白い縁に乗せた掌。

 泡を纏った細いそれを、掴まれたと思った時には、

「させてやらない」

 そう硬い声で発した匠海に、強引に唇を奪われていた。

(……え……? や……っ う、うそ……)

 嘘も何も、

 驚嘆して極限まで見開いた瞳には、顔を傾けた兄の姿がぼんやりと映り込み。
 
 匠海の高い鼻が、頬を押し返してくるし。

 それよりも何も、

 何度も何度も、唇を押し付けては食んでくる、柔らかな感触が。

「~~っ は、はなし――っ んっ」

 咄嗟に匠海の躰を押し返そうとするも、掴まれた掌を引き寄せられて。

 開いた唇の合わせから忍び込んできた舌に、反射的に頭を引いたヴィヴィ。

 けれど、離れた唇に触れてきたのは、今度は兄の指先で。

 薄い輪郭を指の腹で擽る、その優しい触れ方は、

 振り切って阻止する程のものではなくて。
 
 下唇の一番ふっくらした部分を、爪の先で擦られると、

 泡を纏った肩が、勝手に震えてしまって。
 
 妹のそんな初々しい反応に、至近距離で瞳を細めた匠海は、

 その細い両肩を、大きな掌で包み込んでくる。
 
 湯に暖められた ほんわりと濡れた感触が、肌に吸い付くようで。

「……ん……」

 思わず咽喉を鳴らせたヴィヴィ。

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