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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第3章   

「ヴィクトリア、なんで目を反らす?」

「………………」

「こら、ちゃんとこっち見なさい」

「……やだ……」

 何でこんな朝っぱらから、実の兄と見詰め合っていなければならないのだ。

「小っちゃい頃から「話をする時は、相手の目を見て喋りなさい」と躾けて来た筈だけど?」

 今更、子供の頃の躾を蒸し返す匠海に、

「……っ 子供扱い、しないで……」

 挑発に乗ってしまったヴィヴィは、兄を振り仰ぐ。

 確かに、双子は両親からよりも、匠海や執事達に躾や作法を叩き込まれた。

 でもそれを持ち出すなら、匠海だって、

『ヴィヴィも もう大きくなったんだから、抱っこは卒業しないとな?』

 そう口酸っぱく言っていた癖に、今まさにその状態なのはどう言い訳するつもりだ。

「言い付けも守れない大人は、子供同然だろう。

 さてと、悪い子には お仕置きしないとな?」
 
 そんな兄の言葉に、言い返そうと唇を開いた途端、

 顔を寄せて来た匠海に、ちゅっと下唇に吸い付かれてしまった。

「な、なにっ?」

「ん? 舌噛みそうな顔してたから」

 おおよそその台詞には似つかわしくない、色気を湛えた兄の微笑みに、

「し、してな――んっ」

 反抗する傍から、唇の際、鼻の頭、腫れぼったい目蓋と、啄ばまれる。

「本当に?」

 後頭部に差し込まれた指先で、頭皮を擽られ、

 細い背が粟立ち始めていた。

「ほ、ほんと――んぅ~~っ ふぅ」

 兄の指先にばかりに意識が回っていて、

 気が付けば、熱い舌が自分の口内に滑り込んでいた。

 奥で縮こまる妹の舌を、舌の先でからかっていたかと思えば、

 血管の集まる敏感な舌裏に、舌を擦り付けて散々煽られ。

 くちゅくちゅと鼓膜をも犯す甘ったるい口付けに、気付かぬ内に鼓動が高まっていた。

 そうすると息が上がって。

 最初は兄の胸を押し返していたはずの両手が、

 いつの間にか目の前の青いポロシャツを握り、縋り付いていた。

 そして弱い上顎を舌先で弄ばれ、びくびくと全身を震わせていたヴィヴィは、

 後頭部と腰を支えられながら、ソファーの広い座面に押し倒されてしまった。

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