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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第3章   

「嘘吐き」

 妹の精一杯の強がりも、そう一蹴してしまう匠海に、

「……っ もう離してったら!」

 ソファーの上、自分に覆い被さっている匠海の胸に、両手を突っ張るが、

「嫌だよ。ヴィクトリアが素直になるまで離さない」

 下から必死に押し退けようとする妹の抵抗など全く介さず、匠海はその様子を見下ろしていた。

「私は素直だし、自分の心に正直に生きてる」

 少なくとも、匠海に捨てられるまでの自分はそうだった。

「へえ? じゃあ、それが本当か躰にも聞こう」

 頑なな妹に苛立ったのか、

 兄はそう発した直後には、華奢な躰を担ぎ上げていた。

 そう、広い肩の上に。

「……っ!? やっ やだ、降ろしてっ!」

 何だって、うちの男達は、人を荷物みたいに運びたがるのだろう。

 父といい、クリスといい、この匠海といい。

 それでなくても、兄の白シャツ一枚を羽織っただけのヴィヴィは、

 腰から上は兄の背中に垂れさせられているので、

 もうその尻から下なんて、筆舌し難い状況になっていて。
 
 兄の長過ぎる脚が、今朝まで寝ていたベッドルームの、その奥。

 玄関を挟んで建物の一番奥にある、ベッドルームへと踏み込み、

 部屋の中央に据え置かれた大きなベッドへと、ヴィヴィを降ろした。

 ここまで来ると、馬鹿なヴィヴィだって、

 どれだけ抵抗しようが、兄に抱かれてしまう結果になるのは想像出来て。

 それでも、言わずにはいられない。

「も……、えっち、や……っ」

 昨日だけでも数え切れないくらい、兄に抱かれたというのに。

 心だけの問題じゃなくて、躰にだって問題が生じてくる。

「ヴィクトリア……。そんなエッチな格好で言われても、全く説得力がないよ」

 青のポロシャツを脱ぎ捨てた匠海の瞳が、じいと熱心にヴィヴィの全身を眺めていた。

 ぶかぶかの男物の白シャツの袖先からは、細い指先が辛うじて覗いているくらい。

 太い襟回りから覗く首の細さは、より強調され。

 そして何よりも、

 股下10cm位しかないシャツの裾から剥き出しの細長い脚は、もう男の目からしたら、

「準備万端です、どうぞお召し上がり下さいませ」

 と言わんばかりの艶姿というのに。

 当のヴィヴィは全く無自覚だった。 

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