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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第3章
そして、その時になって初めて、ヴィヴィの視線が兄のある場所を捉えた。
(……あ、あれ……?
てか、いつの間にツルツルに……っ!?)
何と。
昨日は明らかに黒々としていた、匠海の脚の付け根。
それが今や、
“もじゃ もじゃ男” が “つる すべ夫” に改名していた。
「ああ、やっと気が付いた? 昨夜、お前が寝ている間に処理したんだ」
「……~~っ」
心底嬉しそうに瞳を細める匠海は、真正の変態かもしれない。
「何でか解かるか?」
「わ、解りたくもないっ」
咄嗟に言い返したヴィヴィだったが、その心の中では首を捻っていた。
(ええと……、ゴ、ゴム着けるの楽だから……?)
しかし、
「だって、ヴィクトリアは根元まできちんと見えたほうが、こ――」
「もう、変態すぎるっ!!」
とんでもない事を匠海が言い終わる前に、ヴィヴィは絶叫して止めさせた。
もう信じられない。
何で自分は、こんな変な人を好きなんだろう?
こんなとんでもない男なのに、この男しか「欲しい」と思えないのだろう?
(何だか……、自分がとんでもなく “男の見る目がない女” な気がしてきた……orz)
ずど~~~ん、と落ち込むヴィヴィに、
「あはは、元気な声が聞けた」
そう楽しそうに笑った、匠海の白い歯が眩しくて。
大きな口元に浮かんだ笑い皺に、きゅんと胸が高鳴った。
それからのヴィヴィはというと、
匠海と螺旋階段で遊んでいる錯覚に陥っていた。
ヴィヴィが数段先に昇ると、匠海が一段飛ばしで追い付いて来て。
そのまま置いてけぼりを食らいそうになると、
兄が「早くおいで」とばかりに、甘い疼きを生み出し、同じ場所まで引き上げてくれた。
「一緒に、イこう……っ」
どこか夢見心地な匠海の囁きを聞きながら、薄い膜の隔たりを挟み、
兄妹は同じ場所へと駆け上がり。
そして、その場所で、ずっと――。