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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第3章
何もかもが違う。
匠海とのこの行為には、ヴィヴィはやはり喜びしか感じない。
オフホワイトのバスローブの上から、そっと両の掌を添えたヴィヴィ。
既に硬さを持ったそれを優しく擦り、ゆっくりとその合わせを解く。
ぴょこんと勢い良く飛び出してきたそれに、ちょっと笑ってしまった。
「可愛い……」
「……だから、それ、止めなさいって……」
男というのは面倒臭い生き物だ。
本当に愛おしくて「可愛い」と愛でたのに、兄は苦々しい表情を浮かべるだけで。
苦笑しながら、細い両手をそれに這わす。
匠海のは本当に大きくて。
色素の薄い肌と同じ色をしているので、全然 気持ち悪かったりエグかったりはしない。
逆に薄紅色に染まって、本当に綺麗だと思う。
思わず頬を寄せて、長い竿の部分にすりすりすれば、瞬く間に硬度が増して。
「はぁ……、ヴィクトリア……っ」
微かに落ちてきた兄の喘ぎに振り仰げば、少し瞳を潤ませた匠海が見下ろしていた。
その顔を見上げながら、亀頭にちゅっと唇を寄せれば、
「可愛い、ヴィクトリア……っ ああ、死ぬほど可愛い!」
大げさに悦ぶ匠海に、ヴィヴィの口元が苦笑に引き攣った。
(可愛いのは、おにいちゃんだもん……)
上下に掌で包み込みながら、何度も何度もリップ音付きでキスを落とせば、更に愛おしさが増した。
そして、薄い唇の隙間から覗かせた薄紅色の舌。
この2日間、自分を助けようと必死に頑張ってくれた兄の分身を、根元からゆっくり労わり始めた。
少し浮き出た血管に沿って舌先で擽れば、びくびくと戦慄き。
舌全体を使って、なるべく広範囲をねっとり舐め上げれば、上から喘ぎを噛み殺す息遣いが落ちてきた。
「ん……。おにい、ちゃん……」
私が口で愛してあげたいのは、この男だけ。
知らぬ間に、涙が零れていた。
すぐに気付いた匠海に指先で拭われながら、それでもヴィヴィは心を込め、兄を舌で舐め上げた。
貴方が好き。
貴方しか見えない。
貴方しか恋しくない。
例え、この躰で他の女を抱いていようと、
それでも、兄を愛おしく思う気持ちはやはり変わらない。