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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第3章   

 いつの間にか ぷくりと浮き出ていた、透明な雫。

 それを舌先でちょんと触れれば、糸を引いて。

 舌に感じた微かなしょっぱさを、もっと味わいたくて。

 ぺろぺろと、亀頭の割れ目を舌先で擽れば、

「あぁっ 気持ちいい……っ」

 頭を撫でてくれていた兄の掌が、するりと頬へと降りて来た。

 「もう、1分経ったよ?」と言いたげに、兄の指先が薄い唇を辿り始めた。

 こくりと匠海だけの味を飲み下したヴィヴィ。  

(これで全部、お兄ちゃんの感触に、上書きされた……)

 心からそう思え、ヴィヴィは今度は、自分の唇を擽る兄の指を舐め始めた。

「こら、悪戯っ子め」

 兄の中指をちゅぷちゅぷと音を立てて吸い上げ、唾液を絡ませた舌で根元までちゅううと絡めれば。

「ふ、咥えたい?」

 その兄の問い掛けは「咥えてくれる?」と言っているのも同じだった。

 あの男のは咥えなかったけれど、匠海のは凄くそうしたくて。

 こくりと頷いたヴィヴィに、匠海はにやあと悪い事を思い付いた顔で嗤う。

「じゃあ、俺のこと「好き」って認めたら、咥えてもいいよ?」

「……結構です……」

 そこは頑なに拒否したヴィヴィ。

「ふっ じゃあ、とっても気持ち良かったから、ヴィクトリアにお返ししていいか?」

「……結構です……」

 その問いにもヴィヴィは拒否した。

 何故なら、

「……っ ああ、こら、ヴィクトリアっ!」

 匠海の隙をつき、ぱっくりと亀頭を銜え込んだヴィヴィは、口内で兄を愛し始めた。

 如何せん大きくて、全部は咥えられず。

 下の方は空いた両手で柔らかく扱き。
 
 少し怒ったような顔で見下ろしてくる匠海を、上目使いに見上げ、

 舌を絡ませながら、ちゅちゅっと唇で兄を吸い上げる。

「~~~っ ふ、ぁ……っ くぅ」

(お兄ちゃん、すごく色っぽい……っ)

 大きな掌はヴィヴィの頭に添えられていて、たぶん今すぐ引き剥がしたいのだろう。

 けれど、男の大事な部分を口で愛撫される良さには、中々抗えられないらしく。

 いつもは凛々しい瞳を潤ませ、瞳の下をほんのり染めた匠海は、はっとするほど蠱惑的で。

 思わず ずぐりと女の部分が疼いた。

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