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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第3章   

「……~~っ ああ、もう、お終い!」

 己の欲望を何とか振り切ったらしい兄。

 そう喚いたのち、妹の頭を股間から退かせてしまった。

「え~~……」

 もうちょっと匠海の艶姿を見たかったヴィヴィは、そう不満の声を上げたが、

 脇の下に手を入れられ、ひょいと兄に持ち上げられてしまった。

「はぁ、可愛い。死ぬほど可愛いっ あ~~もう、この小悪魔めっ!」

 ひしと逞しい胸に抱き締められ、感激した様子の兄にそんな褒め言葉(?)を貰い。

 ヴィヴィはそれだけでも、充分満足だったのだが。

「ヴィクトリア……。どうしようか、これ?」

 流石と言うか何と言うか。

 “エロ変態絶倫ロリ王子” 改め “エロ変態絶倫王子” に降格(?)した匠海の陰茎は、

 これ以上無いほど完璧に勃起していた。

「このままじゃ、パンツ履けないな~~? もちろん責任取ってくれるよねえ? ヴィクトリアさん?」

 2泊もヤリまくって(失礼)まだヤリたいか?

「……ゴムは……?」

 少々呆れ顔で確認した妹に、

「荷物の中」

「荷物……?」

 兄の答えに首を傾げたヴィヴィ。

 匠海の視線の先を追えば、その存在にさえ気付いていなかった扉が1つあって。

 兄の足元から立ち上がったヴィヴィは、リビングの隅にあるその扉を開ける。

 成程、大きな物を収納出来るスペースがあり。

 そこには匠海の物らしい大きなスーツケースと、ヴィヴィの小さなボストンバックが置かれていた。

「お~に~い~ちゃ~ん~~っ!?」

 バックを開けてみれば、そこには1泊2日は出来そうな、ヴィヴィの着替えがきちんと入っていて。

「はは。まあ、終わった事じゃないか」

 妹の着替えを持ってくるのを「忘れた」と嘘を吐いていた匠海は、妹の恨めしそうな訴えを、軽く笑って退けてしまった。

「まったく……」

 とんだペテン師だと詰りながら、兄の言う通りに荷物から避妊具を探し当て、ヴィヴィはソファーへと戻って来る。

「あれ、1つだけか?」

 妹の手にした包みの数に、不満の声を上げた匠海。

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