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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第4章
「………………」
中庭の芝生の上。
何故かピクニックを楽しんでいる両親・ダリル・クリス、そして給仕をする朝比奈を目にし。
どこから突っ込んで良いのか、判らない。
「何 シテ マスカ?」
何故か片言で問う娘に、
「あっはっはっ 見ての通り、ピクニックだよ!」と、父が。
「ヴィヴィ、ヴィヴィ! こっちおいで~~♡」と、ダリルが。
「……とりあえず、ディナー……」と、クリスが。
まあ、確かにお腹が空いてきた頃合いだったので、18:30だというのにまだ全然明るい青空の下、ご相伴に与かる事になった。
これからレッスンがある双子をよそに、
いつの間に打ち解けたのか、両親とダリルはピクニックとは名ばかりの酒盛りを始めてしまった。
「はぁ~~、ヴィヴィも元気に戻って来てくれたし、クリスのスケートの調子も良いみたいだし。それになんたって、ダリルはこんなに可愛いし! いやぁ、お酒が美味しい~~!」
連日の睡眠不足で酒の回るのが早いらしいグレコリーは、もう出来上がっていて。
「まあ、双子パパったら、正直者~♡ ヴィヴィが帰国中も、クリスのお世話はこのダ・リ・ルにお任せあれ~♡」
ワイングラス片手に、クリスにしな垂れかかるダリル。
「ダリル、どんなお世話をしてくれるの?」
そうヴィヴィが問えば、
「え~~? ソンナノ、決まってるでしょ? え~~と、添い寝に~~、添い寝でしょ? あと、添い寝~~♡」
指折り数えながら、お世話の内容を語るダリルに、
「「添い寝しか、しないのかよっ」」
双子は速攻 突っ込んだのであった。
「うふふ~っ クリスのお嫁さんがダリルだったら、毎日楽しそうねえ?」
早々に酔っぱらったジュリアンまで、恐ろしい事を言い出す始末。
「……とりあえず、頑張れ、クリス」
無責任に発破を掛けるヴィヴィに、
「……何を、がんばるのさ……」
クリスは遠い目をし。
それでも、くっ付いたままの親友のダリルを、突き飛ばしたりしない。