この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第4章     

「篠宮代表と12時に、アポイントがあるのですが」

 表参道にそびえ立つ、篠宮證券の本社ビル。
 
 吹き抜けが気持ちいい受付で、ヴィヴィは訪問の要件を伝えた。

 何故か、キリっ という効果音が似合う、凛々しさで。

「CEOから伺っております。どうぞあちらのエレベーターから、カードをお使いになりお上がり下さい」

 受付嬢からカードを受け取ったヴィヴィは、胸を張ってエレベーターへと歩を進める。

 高く結い上げたポニーテールも、本当に馬の尻尾の様に、ふりんふりんと小気味良く揺れていた。

(今回は、噛みも どもりも しなかったぞ~~っ!!)

 そう、胸の中でガッツポーズをしながら。

 最上階の50階にあるプレジデントフロアに到着すれば、男性秘書がヴィヴィを待っていてくれて。

 すぐに通されたプレジデントルームでは、父・グレコリーがちょうど電話中だったらしく。

 娘ににっこりしながら、ソファーを指さしていた。
 
 だだっ広いフロアに据えられた革のソファーに腰を下ろし、きょろきょろしていると。

「お待たせ、ヴィヴィ。ああ、今日も可愛いねえ」

 ライトグレーのフレンチスリーブと、ショートパンツのセットアップを纏った娘に、父は目元を緩める。

 オフィスに来るのだから、なるべくきちっと見える服をと思い、上質な素材のセットアップにしたのに。

 どうやら父親の目には、娘がどんな格好をしようとも “可愛い” と映るらしい。

「はは……。ダッドもカッコいいよ」

 ピンストライプのネイビースーツを、ノーネクタイでサラリと着こなすさまは、まるでハリウッド俳優のようだ。

「さて、Bambiちゃん。ランチは何か食べたいものはあるかな?」

「ん~~、ダッドのお勧めのもので」

 手を引かれてソファーから立ち上がったヴィヴィ。

 連れ立ってエレベーターで地上まで降りて行く――と思えば、

 何故か途中の階で、グレコリーが箱を止めてしまった。

「ダッド?」

 ポニーテールの頭をぴょこっと上げ、父を呼べば、

「ちょっと、寄り道」

 そう答えたグレコリーは、にやあと悪い微笑を湛えていた。

/1163ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ