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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第4章
大切な家族が待つ自分の城に持ち込んでも、災いしか招かない醜悪なもの。
それを「欲しい」と口にしたのはリップサービスか、
もしくは、
莫迦にしているのだ――元恋人 兼 実妹を。
「………………」
(……そんなに “ナマコ攻撃” ムカついたのかな……)
自分の纏った服を手にしている兄よりも、
それを汚らしげに放り捨て去る兄のほうが、容易に想像がついて。
薄い胸を締め付ける苦しさに、長い睫毛を誇る目蓋が徐々に落ちていく。
あの時の自分は、本当に嬉しかった。
他の女を「抱きたい」とさえ思えぬくらい、
妹の自分を女として愛してくれているのが、重々伝わってきて。
けれど、
今の自分は――?
もし目の前で、匠海が自分の名を呼び、その行為に耽っていたら、
一体、今の自分は、
どんな感情に襲われるのであろうか――?