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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第4章
ビール、シャンパン、赤ワイン、(未成年時に酎ハイ)しか口にした事が無いヴィヴィに、
「じゃあ、果物のシャンパン割りは?」
白砂のその勧めに、バーテンダーに何が出来るか聞けば、桃果汁のシャンパン割り = ベリーニを勧められ、それにした。
「俺はカミュ(コニャック)、オン・ザ・ロック」と、白砂が。
「こっちは、マッカラン(スコッチ)ストレート、と、チェイサー2つ」と、匠海が。
程なく揃った飲み物で乾杯すれば、ヴィヴィはすぐにベリーニを気に入ってしまった。
「美味しい~♡」
薄紅色の頬を緩めるヴィヴィに、
「ああ、今日のヴィヴィのワンピースと同じ色だ。似合ってる、可愛いね」
ピンクベージュのシフォンプリーツ・ノースリーブワンピは、襟と前合わせが黒なので、甘過ぎず。
腰に括った細い黒革のリボンが、アクセントだった。
「え、あ、ありがとうございぃ~~っ!?」
薄紅色の唇に残る、小さな水滴。
それを指の腹で拭ってきた白砂に、ヴィヴィは礼の言葉を詰まらせる。
ぺろりと指を舐めたその人は「甘い」と、ふっくらした唇で微笑んできて。
「~~~っ!?」
(か、かかか、間接キスした~~っ じゃない、された……っ)
21歳になるまで(匠海以外に)そんな事などされた事も無かったヴィヴィ。
瞬く間に赤面した元生徒を、白砂は至極 面白そうに見つめていた。
が――
「ヴィヴィ、スコッチって飲んだことあるか?」
左隣の匠海に話し掛けられ、赤い顔のまま振り向いたヴィヴィは、もちろん金の頭を横に振る。
「ちょっと舐めてごらん?」
「あ、うん……」
目の前に置かれたのは、ワイングラスより柄の短い、チューリップグラス。
言われた通り、ちょびっと舐めたヴィヴィは、途端に小さな顔を歪ませる。
「アルコール、の味……」
実はスコッチのアルコール度数の下限は、40%と決められていて。
いつもアルコール度数の低いものばかり、好んで飲んでいたヴィヴィには、スコッチは未知の液体だった。