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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第4章     


 “据え膳食わぬは男の恥” じゃないのか。

 いや、違う。

 何を言ってるの。
 
 そうじゃない。

 飽きたなら「飽きた」って、はっきり言えばいいじゃない。

「今は瞳子に嵌っていて、また数ヶ月後にはお前を構ってやるから」

 そう、本音を言えばいいじゃない。
 
 ああもうっ

 なんでだって自分は、

 こんなにも、苛立っているのだろう――?



 憎々しげに兄を振り仰いだヴィヴィ。

 両手で逞しい腕を掴むと、渾身の力を込めてベッドの上へと引き倒す。

 ぽすんと軽い音を立て、スプリングの上に横倒しになった匠海。

 膝から下はベッドの外という間抜けな恰好だったが、ヴィヴィは構わずその腰の上に馬乗りになった。

「……ヴィクトリア……?」

 戸惑いの表情を浮かべ、仰向けに寝ころんだまま見上げてくる兄。

 その目の前で妹は、シフォンプリーツのワンピの腰に捲いていた、黒革の細紐を解いた。

「両手、出して」

 硬い命令の声に、

「ヴィクトリア……。無理、するな」

 匠海は心配そうに、そう宥めてくるが、

「黙ってっ」

 怒気を滲ませた妹の声に、兄は言われた通りに口を噤んだ。

 差し出された両手を揃え、その手首をぐるぐると革紐で巻き、最後はリボン結びで止めてしまう。

 脳裏に過ったのは、15歳の頃の自分。

 自分を庇って怪我を負った匠海を、寝ている間に厳重に拘束し、

 大の大人でも逃げられない状況に追い込んで、散々 犯し尽くした過去。
 
 けれど、今は違う。

 こんな革紐、端を口で咥えればすぐに解けるし。

 ましてや体重の軽いヴィヴィなど、匠海がドンと突き飛ばすだけで、簡単に排除する事が出来るのだから。

 兄妹が黙り込み、静まり返った寝室。

 そこにカチャカチャと響き始めたのは、妹が兄のベルトを解く音。

 薄黄色のパンツのボタンを外し、ファスナーを下せば、

 中から露わになったのは、ライトグレーの縁取りがどこか可愛い、白のボクサーブリーフで。

「………………」

 この男はなんだか最近、やたらと可愛いものを身に着けてないか?

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