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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第4章
これじゃあ、どちらが襲っていて どちらが襲われているのか、判らない。
「はぁ」と大きく嘆息したヴィヴィ。
けれど、当初の目的を果たす為、
ボクサーブリーフから露出したそこへと、両手を這わし始める。
5日ぶりに触れた兄のもの。
平静を装っていながらも、ヴィヴィの心臓はバクバクものだった。
本当は、
目が覚めたその瞬間から、ずっと――。
掌に感じる、しっとりとした質感。
指の腹に伝わる、ごつごつとした薄い皮膚の下の剛直。
丹念に撫で擦っていると、それでなくても大きな陰茎が更に太くなって。
亀頭の割れ目に早々に滲み始めた透明な雫。
それに気付いたヴィヴィは、汚すのが嫌だからと、匠海のシャツの腹もボタンを解いて開いていく。
露わになった割れた腹筋を掌で撫で擦り、どうせなら下もずらそうと、自分の腰を上げたヴィヴィ。
「腰、上げて」
短く兄に命じれば、従順な匠海は軽く尻を上げ。
その隙に、パンツとボクサーブリーフを、太ももの真ん中くらいまで ずり下げた。
再度両手で陰茎を包み込み、ゆっくりと扱けば、見下ろす先にある匠海の表情がどこか苦しげで。
「もしかして、もうイっちゃうの?」
「……5日間ずっと、ヴィクトリアを前に我慢、してたんだぞ?」
言い訳をする匠海に、胸の中で「私の知ったことか」と突っ込んだヴィヴィ。
我慢してた?
何を?
捨てた妹を抱くことを?
どうして?
日本の地に舞い戻って、
自分に妻子があることを、
今更ながらに思い出したから――?
なんだか尾骶骨の辺りが、むず痒く感じた。
もしかしたらそこから、ワンピの布地を突き破り、
こんな形 ➝ をした “デビル” の真っ黒な尻尾が、生え始めているのかも知れない。
何故なら、
「お兄ちゃんって、実は Minute Man(早漏)なんじゃない?」
小さな顔に呆れた表情を浮かべたヴィヴィは “デビル” 以外の何者でもなかったから。
「お、おま……っ」
性の事に疎く、元恋人である自分が教えた事以外は知らない筈の妹からの、まさかの突っ込み。