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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第4章
切れ長の瞳を瞬いて見上げてくる匠海よりも、ヴィヴィは優位に立てた気分になり、更に続ける。
「だって、これまでにも何度もあったもの。すぐイっちゃうこと」
大体の場合 そういう時は、久しぶりにセックスする際の1回目だったが。
「ヴィクトリア……。お前、EDの兄に向って、何て酷いことを……」
恨めしそうに、けれど、瞳の奥には慾を滲ませる兄に、
「……本当に、そうなっちゃえば、いいのにね……」
思わず心の声が零れてしまったヴィヴィ。
匠海が本当にEDになればいい。
そうすれば、自分はもう苦しまなくて済む気がした。
こんな凶暴なもので、瞳子を悦ばせているのかと嫉妬する事も。
匠斗に次いで、第二子を目指し子作りに励んでいるのかと、打ちひしがれる事も。
きっともう無くなる。
そうすれば、ヴィヴィは匠海という “唯一の性行為相手” を失うが、
心に比べれば躰なんて、どうでも良いとさえ思えてしまう。
「ヴィクトリア……。どうして信じてくれない? 俺は、お前以外には勃たないって――」
「黙って――!」
これ以上 兄の弁解を聞く気にもならず、デビルヴィヴィは強硬手段に出た。
脚の付け根の上に乗せていた腰を上げ、そして降ろしたのはもちろん、匠海の分身の上。
スカートの中、くちゅりと小さな蜜音がしたが、聞こえないふりをし、
根本の方に自分の秘裂を押し付け、そして先端は右の掌で包み込む。
ねっとりと腰を振りながら、右手も器用に動かせば。
「う……っ ああ、凄い……」
早々に喘ぎ始めた匠海に、薄い唇が口角を上げる。
「ねえ、お兄ちゃん」
「ん? ……っ なん、だっ」
両腕を頭上に挙げた格好の匠海が、潤み始めた双眸を、上で動く妹へと向ける。
「ふふ、知ってる?」
「え……? ……ぁあっ」
ネチュネチュと粘着質な音を立てるそことは別に、ヴィヴィは言葉でも兄を征服したくて。
「こういうの、Intercrural Sex(素股)って言うんだよ?」
そんな爆弾発言とは全く似つかわしくない、しっとりと清楚な微笑みを浮かべたヴィヴィ。