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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第5章
そんな、どうでもいい事を思っていると。
「でもな?」
「…………?」
「お前が濡れてる時の方が気持ちいいように、俺だってヴィクトリアが沢山感じてたっぷり濡れてる方が、もっと気持ちいいんだぞ?」
妹のささくれ立った気持ちを解きほぐそうとしてか、柔らかな声音で続ける兄。
「だからもっと、自分の躰を大切にしなさい。俺はどれだけ焦らされたって、ヴィクトリアの準備が整うまで、待ってられるんだから。というか、その時間さえ幸せなんだから。いいね?」
兄の言い分はもっともで。
しかも全面的にヴィヴィの躰を心配しての忠告、とは分かっているのだが。
素直に聞き入れるのも何だか癪で。
「…………ふんだ」
そんな可愛くない返事を寄越す妹にも、兄は困ったように笑うだけだった。
「はぁ……、と言っても。目隠し状態の男に、そんな事を言われても、全然 説得力無いよなぁ」
結局、自分でそう突っ込んだ匠海が、何だか可笑しくて。
ふっと小さく吹き出したヴィヴィに、匠海も軽く笑い声を上げていた。
(もう、大丈夫……かな……?)
躰を守る為に分泌された蜜と、兄のサイズに解れてきた膣壁。
その様子を伺いながら、少しずつ動いてみれば、
小さいけれどちゅぷちゅぷと、潤滑の役目を果たしている音が届き。
ほっと息を吐いた瞬間。
「やぁ……っ もう、おっきくしないでぇ~~」
やっと匠海の太さに馴染んだというのに、また中で肥大した陰茎に、ヴィヴィは半泣き状態で相手を責める。
「そんな、無茶な」
「無茶、じゃない~~」
男の性をいまいち解かってないヴィヴィは、そう喚きながらも、ゆっくりゆっくり兄の上で動き始めた。
昨夜と同様に、己の快楽だけを追求する事に専念する。
何故ならこの行為は、自分の欲求不満を解消する為のもの。
まかり間違っても、匠海を悦ばす為のものではない。
そうなると、その細腰は自然と、薄水色のナイトウェアの中で前後に揺れ動く。